日本版DBSの認定を検討している事業者の方の中には、
- 「安全確保措置って何?」
- 「犯罪歴確認だけすれば認定されるの?」
- 「どのような体制を整えればいいの?」
と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実は、日本版DBSでは犯罪事実確認(いわゆる犯罪歴確認)だけでなく、子どもを性暴力等の被害から守るための「安全確保措置」が重要な認定要件となっています。
今回は、安全確保措置の概要と、認定事業者に求められる取り組みについてわかりやすく解説します。
安全確保措置とは?
安全確保措置とは、事業者が子どもを性暴力等の被害から守るために実施する予防・管理体制のことです。
日本版DBSは「犯罪歴の有無を確認する制度」として注目されがちですが、それだけでは子どもの安全を十分に守ることはできません。
そのため、認定事業者には、
- 被害を未然に防ぐ仕組み
- 問題が起きた場合の対応体制
- 職員への教育・研修
などを整備することが求められています。
つまり、日本版DBSは「確認する制度」であると同時に、「子どもの安全を守る組織づくりの制度」でもあるのです。
なぜ安全確保措置が必要なのか
子どもへの性暴力等は、必ずしも前科のある人によって行われるとは限りません。
また、日頃から子どもと接する環境の中で、
- 不適切な言動
- 境界線のあいまいな接触
- 密室での指導
- SNS等による私的な連絡
などが被害につながるケースもあります。
そのため、事業者には「問題が起きてから対応する」のではなく、「問題が起きにくい環境をつくる」ことが求められています。
認定事業者に求められる主な安全確保措置
1. 行動ルールの整備
まず重要なのが、職員が守るべきルールを明確にすることです。
例えば、
- 子どもと二人きりにならない
- 私的なSNS連絡を禁止する
- 不必要な身体接触を避ける
- 不適切な発言をしない
などの行動基準を定めます。
ルールが曖昧なままでは、職員によって判断が異なり、トラブルの原因になる可能性があります。
2. 相談・通報体制の整備
子どもや保護者、職員が安心して相談できる窓口を設けることも重要です。
例えば、
- 相談担当者を決める
- 相談方法を周知する
- 匿名相談を受け付ける
などの体制を整備します。
問題の早期発見につながるだけでなく、組織への信頼向上にもつながります。
3. 研修の実施
ルールを作るだけでは十分ではありません。
職員が内容を理解し、実際の業務で適切に行動できるようにするため、定期的な研修を実施することが重要です。
研修では、
- 子どもの権利
- 性暴力等の防止
- 不適切な関わりの具体例
- 通報義務や対応手順
などを学びます。
4. 事故・問題発生時の対応体制
万が一問題が発生した場合に備えて、
- 誰に報告するのか
- どのように調査するのか
- 被害児童への支援をどう行うのか
を事前に決めておく必要があります。
対応手順をあらかじめ定めておくことで、緊急時にも迅速かつ適切な対応が可能になります。
5. 個人情報の適切な管理
日本版DBSでは犯罪事実確認結果などの重要な個人情報を取り扱います。
そのため、
- 閲覧権限の制限
- パスワード管理
- 保管・廃棄ルール
などを定め、情報漏えいを防止しなければなりません。
認定申請でつまずきやすいポイント
認定申請を検討している事業者の多くが、
「安全確保措置が必要なのはわかったが、何をどこまで文書化すればよいかわからない」
という課題を抱えています。
特に、
- 安全確保措置の規程作成
- 相談体制の整備
- 情報管理規程の作成
- 研修体制の整理
は専門的な検討が必要になることがあります。
認定申請では、実際に安全確保措置を講じていることを説明できる資料や規程の整備が重要になります。
まとめ
日本版DBSの認定では、犯罪歴確認だけでなく、子どもの安全を守るための「安全確保措置」が重要なポイントになります。
安全確保措置とは、簡単に言えば、
「子どもが安心して利用できる環境を組織として整えること」
です。
認定取得を目指す事業者は、早い段階から規程整備や運用体制の構築を進めることをおすすめします。
当事務所では、日本版DBS認定申請に必要な各種規程の作成支援や申請手続のサポートを行っております。認定取得をご検討中の事業者様は、お気軽にご相談ください。